天才かよ!石原慎太郎『太陽の季節』、2日で書いたと逸話のデビュー作

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天才かよ!

 

元東京都知事・石原慎太郎氏が書いた『太陽の季節』を読んで、そう思いましたナリ。

経費(=都税)で書道のため(=私物)のチャイナ服購入するような人も別の意味ですごいし、やっぱり東京都知事に選ばれるほどの人はひと味ちがうぜ・・・

 

 

 

※以下、読書感想。若干ネタバレあり

 

 

 

 

 

石原慎太郎『太陽の季節』読書感想

行為する肉体の真剣な純粋さを本能で肯定し、退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびのびと反逆する―――若き戦後世代の生と死を真正面から描いた「太陽の季節」は、発表されるや広く社会全体に新鮮な衝撃を与える「事件」となった。

 

先日、日本テレビの『行列のできる法律相談所』に石原慎太郎氏が出演されていて、デビュー作である『太陽の季節』は2日で仕上げたのだという逸話を聞いて関心を持つ。

誰かの小説を読んで、「こんなもんならオレにも書ける」と思い一気に原稿を仕上げたとのこと。僕が高校時代に流行ったケータイ小説程度なら、僕も当時読んでみて同じようなことを思っていたかもしれない(´・ω・`) しかし、全然レベルが違いました(笑)

…これをほんとに2日で書いたのなら、天才でいいんじゃないかな。

内容については好き嫌いあると思います。しかし、僕はいつも言うように、内容よりも読書体験としてのインパクトを重視するので、そういう意味では十分評価したい作品でした。

苦言を呈すとしたら、表現が冗長的で理解し辛い内容がときどきある。まぁその辺は、文脈で雰囲気さえつかめていればOKでしょうw

 

全五篇からなる短篇集

このことをよく確認しないまま読み始めたので、『太陽の季節』一遍だけだと思っていました。なので、全体の1/5くらいまで読み進んだところで話が盛り上がってきた時に「すげーな。序盤でこんな盛り上がって、この先はどうなるんや」とか思っていたら、モノホンのクライマックスでしたね(笑)

【全五篇のタイトル】

  1. 太陽の季節
  2. 灰色の教室
  3. 処刑の部屋
  4. ヨットと少年
  5. 黒い水

 

・・・実は、今はまだ、2の『灰色の教室』まで読み終えたところ。それで十分なインパクト受けて伝えたくなったのだ。

 

 

倫理観のズレ、価値観の違いとそのゆらぎ

紹介文の通り、まさしく”退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびのびと反逆”するような、青春(不適切かもしれないけど他に言葉が浮かばないのでそう言う)の在り方。

 

大人たちが築いているある種のテンプレート的な倫理観や価値観に唾を吐きかけるように、

青年たちは独自の倫理観と価値観を共有する。そして中には、倫理観の”ズレ”ではなくてもはや”欠落”と言っていいほどの、クズ野郎や何考えてんのか分かんない人物が登場する。

 

僕のような生粋の優等生が抱いている、いわゆる規範的な価値観との違いを描きつつ、また登場人物のそれがいろんな出来事を通して”ゆらぐ”様とそこで生まれる心情というのが、本作品の描写の見どころではなかろうか。

 

最初の2編で対比される「死」、強調される「死」

最初の短篇『太陽の季節』においては、「死」という事象がストレートに重くのしかかってくる。

一方で、次の『灰色の教室』では、「死」という事象はいかにも軽く、話が進む。「死」は退屈しのぎであり、単なるネタのひとつであり、遊びで交わした約束の履行である。一時は誰かの玩具になるが、すぐに別の玩具にとってかわられる、そんな安いものとして見なされる。

 

しかし、浅はかにも「うまいこと対比しやがって…(´・ω・`)」みたいなことを考えながら『灰色の教室』を読み進めていたら、それが見事に裏切られた。 …緩急のせいだろうか。ある出来事の描写を通じて一転、最後の最後で「死」という事象が生々しく、ありありと僕の心に刻みつけられた。

この時点で心震えて、もう3作品を読むまでもなく「ブログで紹介しよ( ゚Д゚)」と思ったワケだ。

 

 

まとめ

読んでて胸クソ悪くなることもあるでしょう。でもそんな強い感情が引き出されたのなら、それは僕的には読書体験としては上等だったということだ。

石原慎太郎氏もそんな読者を見て「しめしめ」と、いかにも思ってそうだw

さぁ、残りの三篇も読んでみよう。気が向いたら続きもレビューします。

EPIC!

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